小学生の頃、図画工作の授業に、絵具や筆、筆を洗うためのバケツなど、すべての道具を家に忘れてしまったことがありました。
時間を巻き戻したい!うっかりにもほどがある!
と落ち込みながら、先生に忘れ物の申告をしに行きました。
図工の授業では、絵や粘土細工など、作成したものの評価に、A~Eまでのスタンプを押されていたのですが、そのスタンプは、忘れ物をしたときにも使われていました。
1つ忘れ物をするごとに1スタンプ、顔に押されるのです。
件の日、私は図工の道具は何も持っていなかったので、額、鼻、顎、両頬に、A~Eまで、すべてのスタンプを押されました。
ギュギュギュッとゴムを押し付けられる感覚は、
「お前はダメ人間だ!」
と何度も言われている様でした。
その日1日、その顔で過ごすので、校内ですれ違う人には私が何をしたのかが一目瞭然で、しかも5つもスタンプを押された人は稀(少なくとも私は見たことがなかった)のもあり、とにかく悲しい一日を過ごしたのでした。
最近、大村はまさんの「教えるということ」を読みました。小学校教員、そして後進への教育にも貢献された、大村先生の言葉は染み入ります。
もし、大村先生だったら、スタンプは押さなかっただろうことは明確で、
「図工の先生よ!はま先生の本を読んで、大いに反省したまえ!」
と40年の時を隔てて、叫びました。
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